月下美人というと、何を思いつきますか?
植物に詳しい人なら、「夜だけ咲く花」や「香りの強い花」といったことを思い浮かべるかもしれません。
では、月花美人はどうでしょう?
これはパキフィツム属の多肉植物で、名前が似ているため月下美人と間違えられることがあります。
この記事では、名前が似ているもののまったく違う二つの植物、月下美人と月花美人の違いについて、基本的な情報や育て方について紹介します。
それぞれの植物が持つユニークな特徴や魅力を理解し、植物の世界をもっと楽しんでみましょう。
月下美人について
学 名:Epiphyllum oxypetalum
分 類:クジャクサボテン属、エピフィルム属
原産地:メキシコの熱帯雨林
月下美人はサボテン科に属しますが、一般の砂漠のサボテンとは異なり、木に着生します。
茎は広くて昆布のような形をしており、1~2メートルまで成長することがあります。7月から11月にかけて夜だけ咲く大きな白い花が特徴的です。
月下美人は夜に開花し、その美しい姿は一夜限りで、翌朝にはすでにしぼんでしまいます。
通常、月下美人は年に一度だけ花を咲かせるとされていますが、適切な環境と丁寧なケアが施されると、年に複数回花を楽しむことが可能です。
月花美人について
学 名:Pachyphytum ‘Gekkabijin’
分 類:パキフィツム属
原産地:特定されていない
月花美人はふっくらした肉厚の葉を持つロゼット形の植物です。
通常、最大直径は約10センチメートル程度で、成長に伴い、大きくなると茎が重みに耐えきれずに傾くことがあります。その際は植物を支えるための支柱が必要になることがあります。
春から夏の開花期には、月花美人の魅力がさらに増します。
花茎が伸びて淡いピンク色の繊細な花を咲かせ、これが肉厚の葉の間から見えると素敵なコントラストが生まれます。
※ロゼット状は、葉が放射状や螺旋状に配置されている様子を指します。
「月下美人」と「月花美人」の育て方の違い
「月下美人」と「月花美人」の特徴を把握した上で、それぞれの育て方の違いを見てみましょう。
月下美人
場所
暖かく湿度が高い環境を好み、寒さを避ける必要があります。
春から秋は日当たりが良い場所で育て、夏は直射日光を避けて半日陰にします。冬は寒さから守るために、室内の日の当たる場所に移します。
水やり
湿った環境を好むので、春から秋は土が乾いたらしっかり水をやります。
冬は休眠期なので、月に2~3回の水やりに抑えます。
肥料
春から秋に月1回緩効性肥料を施すか、定期的に液体肥料を与えます。
冬は休眠期なので肥料は不要です。花を咲かせるためにリン酸やカリウムが多い肥料を選びます。
月花美人
場所
暑さ寒さに強く湿気を嫌うので、通気性と明るさのある場所で育て、夏以外は直射日光の下が適しています。
水やり
湿度を避けるため、土が乾いたら水やりをし、夏は控えめにします。
冬は土の乾燥が遅れるので、月に1回程度に減らすのが良いです。
肥料
春と秋に少量の緩効性肥料を施すか、月に2回薄めた液体肥料を与えます。
肥料は控えめにし、特に植物が間延びしたり葉が落ちたりするのを避けるために、過剰な施肥は避けましょう。
月下美人と月花美人の値段と買い方
月下美人は、小さい苗でも1,000円以下とお手頃価格で買えますが、花のついた大きな株だと5,000円から10,000円以上になることがあります。
小さい苗から育てる場合、花が咲くまでに時間と忍耐が必要です。すぐに美しい花を見たいなら、最初から大きな株を買うことをおすすめします。
一方、月花美人は通常300円程度で売られていて、小さな多肉植物のポットに植えられたものが多いです。
他の多肉植物と寄せ植えされたものもあり、好みやインテリアに合わせて選ぶ楽しみがあります。
月下美人と月花美人はどちらも、ホームセンターや園芸店、オンラインショップなどで簡単に購入できます。
それぞれの特性や価格を考慮して、自分に合った植物を選ぶのがいいでしょう。
まとめ
成長サイズ:「月下美人」は大きく育つと1~2メートルになる大型の植物ですが、「月花美人」は成熟しても直径が約10センチメートルの小型です。どちらも花を咲かせますが、花の大きさや香りに大きな違いがあります。
好む環境:日光を好む点は共通ですが、「月下美人」は湿った環境を好み、「月花美人」は湿気を嫌う特性があります。
肥料の使い方:どちらの品種も緩効性肥料や液体肥料が適していますが、使う量に注意が必要です。
価格:「月花美人」は比較的安価ですが、「月下美人」は特に花が付いている苗は高くなりがちです。
月下美人と月花美人、一見似ているようでいて、実は大きな違いがある二つの美しい植物。
今回の記事を通して、それぞれの特性や育て方の違いが明確になったことでしょう。
あなたのお家や庭で、どちらの植物を育てるか選ぶ際の参考になれば幸いです。
それぞれの植物が持つ独自の魅力を存分に楽しんでください。